なぜ「犬の正しい叱り方」を知りたいの?

犬の正しい叱り方を教えて欲しいと尋ねられることがあります。

具体的には、
「どんな言葉で叱ったらいいのか」
「叱る時に名前を呼んでいいのか」
「どこを叩いたらいいのか」
「どんな物で叩くのがいいのか」など

こう尋ねられても私は答えを持ち合わせていません。
なぜかというと私は犬を叱ったり叩いたりしないからです。

叱らないとしつけができないと信じている人たちからは
ブーイングがきそうですが、
レッスンでもうちでも必要がないので犬を叱ることはありません。

叱らないんだったらどうするの?ということになるかと思いますが、
そもそもの叱る目的は何なのかをまずは考えてみましょう。

「悪い事だと分からせたい」「正しい行動に促したい」
というような理由はあると思うのですが、
共通する目的は「今やっている事をやめさせる」ことと
「今後それをさせない」ということではないでしょうか。

実は、叱ることで悪いことだと分からせることや
正しい行動に促すことはできないのです。
このことについてはどこかでお話できたらと思います。

叱ることがあまりにも当然で疑わずにやってはいるけれど、
多くの人がうまくいかないことを実感するのではないでしょうか。
それでもやっぱり叱ること自体には疑いを向けず、間違っているのは
「叱り方」なのではないかという考えに至るのではないでしょうか。

そもそもの「やめさせること」と「今後それをさせない」という
目的が果たせるのであれば、特に叱ることにこだわる必要はないはずです。

ではどうするかということですが、
ここからはGooDogで行なっている方法をお話します。
犬がやって欲しくないことをしている時の対応策ついて
気になるとは思うのですが、その前にやることがあります。
まずはその問題が起きにくい環境づくりをします。

例えば、お家で触って欲しくないものがあるのなら
片付けるなど犬がそれにアプローチできないようにします。
散歩ですれ違う犬に対して吠えるのなら
犬に出会いにくい場所や時間帯を選ぶようにします。
パワーが有り余っていることで起こる問題があるのならば
知育トイを使ってみたりゲームや運動などでできるだけ満足してもらいます。
家・散歩場所・生活パターン・体調・食事などを含めた環境づくりで
問題を起こしにくくします。

環境を整えたらその次にやるのが、対応策です。
要はトレーニングです。
環境づくりはトレーニングを成功に導くための基礎のようなものです。
トレーニングをスムーズに行うためには環境づくりは欠かせません。

ただ、この考え方は人によっては受け入れにくいようです。
結果がいいのになぜなのだろうかと考えたところこんな答えに至りました。
環境づくりをすることで問題が起きづらくなる。
ということは、犬が間違った事をすることが減る。
ということは、指摘をするチャンスが減る。
ということは、根本的な問題解決にはならないのではないか。
こう考えるのではないかなあと。

環境づくりをする事で問題の方向へ犬が行動する
頻度が低くなるのは間違いありません。
ただ、問題が起こった時に反応するのではなく
こちらが望む好ましい状態を強化することが目的です。
そうする事で問題から離れていくことができます。
指摘を続けているうちは問題解決には至りません。
問題に目を向けるのではなく、
どうして欲しいのかを明確にし、そこに注目するようにします。

この方法でトレーニングをしていたとしても
避けていた問題が目の前に現れる事があります。
その場合は、冷静にでも即座に環境を変えます。
その場所から逃げると言ったほうがイメージしやすいかもしれません。
そして、同じような事が起きないように再度環境を見直します。

こういう事を繰り返していくと
いつの間にか問題が起きにくくなっていることに気づく日がきます。
犬に頑張らせることはありません。
人間は頑張りますけどね。

ここまでは、叱らないでどうやめさせるのかというお話しでしたが、
ここからはこの方法を難しくしてしまう要因にひとつ思い当たるので
それについてお話したいと思います。

それは、多くの飼い主さんが何かとすぐに叱るスイッチを
ONにしてしまうということです。
叱りにまで至らなくても何かしら反応してしまうこともあるかと思います。

好ましいところに反応するのはいいけれど、
やめてもらいたいことに反応しても頑張り損ですからね。
それどころかやめてもらいたいのに逆に強化してしまうかもしれません。
ここは軽視している人が多いトレーニングの成功を邪魔する
見えにくい落とし穴なのです。

私はチョークチェーンを使ってトレーニングする方法から
この世界に入ったので、犬の首を一瞬締めるジャークを使っていました。
このジャークも嫌で今のトレーニング方法に移行してきたのですが、
長年の習慣は恐ろしいもので、使いたくないのに
考えなくても体が反射的に動いてしまう状態でした。
これをどうしても無くしたかったので
パターン化した動きの代わりに意識的に息を吐き
ゆっくり動くようにしました。
これを手放すのはかなり苦労しましたが
今となっては綺麗さっぱりそのくせはなくなりました。
常に意識することで根深い癖も手放すことは可能です。

やめてもらいたいことが起きた時に反射的に反応してしまう人は、
意識的して息を吐くだけでもやってみてください。
そうすると冷静に環境を変えることをしやすくなるはずです。

犬の好ましいところを探すトレーニングは、
飼い主側の精神衛生にもいいですよ。

今回は、叱ることについて考え、
さらに、叱らないトレーニングを紹介し、
また、叱りスイッチを手放す方法をお話しさせていただきました。

長文、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

↑心と体と頭の満足に一役買ってくれるスニッフィングマット
これは布製の知育トイだから集合住宅でも音を気にせず遊んでもらえます。
在庫セール品だそうだから既に売れ切れていたらゴメンナサイ。

犬にも協力してもらえる歯磨き

2020年が始まりました。
今年もたくさんのわんこさん&飼い主さんの幸せのお手伝いをさせていただけることを楽しみにしています。

少し前から「わんこさんにも協力してもらえる歯磨き」トレーニングのレッスンをさせてもらう機会が増えています。

犬も歯のケアをしないでいると人と同じように歯周病になってしまい、そこから様々な病気になってしまう可能性が高くなります。

特にお口の小さな小型犬は歯石がつきやすく歯周病で苦しんでいる子たちが多いようです。

愛犬が痛みや不快感で苦しむことがないようにも、また、健康で長生きしてもらうためにも、若いうちから日常的にお家でのケアをしっかりしていきたいものです。

そうはいっても、なかなかうまく歯磨きができないケースが多いようです。
歯ブラシを見せると逃げるようになってしまったとか、唸られて噛みつかれそうになって以来できていないという類の声をよく聞きます。

犬にとって必要なことでも、嫌なことだと、どうにかしてさせない方向で犬は頑張ってしまいます。これは当然の反応です。
そして、その後に飼い主さんが犬のために何かをしようとしても、犬はまた嫌なことされるのではないかと警戒してしまうようになります。これも想像に難くないと思います。

毎日行うことですから、目的の形をただやることだけではなく、どのようにすれば犬に気持ちよく受け入れてもらえるのかを考える必要があります。

GooDogで行なっている方法は、「歯磨きしていい?」と犬に尋ねて、犬から「いいよ」と伝えてもらったうえで歯磨きをさせてもらいます。
( ※ わかりやすく言葉にしましたが、他の方法でやり取りします)
犬からの「いいよ」がなければその時はしません。

歯磨きされること自体にも段階的な平気の積み重ねで受け入れてもらえるようにします。

このトレーニング方法を行うと、犬達は歯磨き好きなってくれるようです。

1頭ずつ順番にレッスンとなる とある多頭飼いのお宅では、1頭レッスンしていると順番待ち中の子たちが今か今かと自分の番を待っていて、自分の順番になると瞬時に歯磨きをする場所に座り尻尾フリフリ&目をキラキラさせてスタンバイするのです。

楽しみに待ちに待っている「歯磨き」だったら毎日のケアのたびに愛犬は嬉しい気持ちになってくれますし、飼い主側も楽しい時間になること間違いなしです。

今年の私のやりたいことのひとつが「歯磨き上手な飼い主を増やし、歯周病になる犬を減らす」なので、どのような形かでより多くの飼い主さんに基本的なトレーニング方法をお伝えできればと思っています。

ご愛犬の歯磨きをまだしたことがない方や断念してしまった方やうまくできなくて困っている方は、まずは個別の体験レッスンを受けていただくことをお勧めします。その後の個別レッスンでは、あなたのご愛犬により受け入れてもらいやすいようにカスタマイズしたトレーニング方法をレッスンしていきます。

口腔ケアをお家で毎日していても時々はかかりつけの獣医さんに診てもらうことも必要です。また、現在口臭があったりすでに歯石がついていたり歯周炎になっている場合はできるだけ早く獣医さんに診てもらってください。

トレーニングは犬の精神面の健康に大きく関わる分野ですが、もうひとつ、犬の身体面の健康維持のケアのサポートにも大きな役割があります。トレーナーと獣医師の先生方とはもっと積極的に連携していくべきだと考えています。今年はこの辺りもさらに進展させていければと思っています。

2020年が、あなたとあなたと一緒に暮らしている動物を含めたご家族にとってより良い1年になりますことを心よりお祈りしております。本年もよろしくお願いいたします。


GooDogオススメのシグワン 歯ブラシ。
ご愛犬のお口に合ったサイズを選んでくださいね。

トレーニングで犬はおとなしくなるのか

トレーニングをすると犬が大人しくなるだろうと
期待されている声が聞こえてくることがあります。

結論からいうとトレーニングしたからといって
犬が大人しくなることはありません。

ガッカリされた方もいらっしゃると思いますが、
もう少しお付き合いくださると光が見えてくるはずです。

なぜトレーニングをするのかというと、ふたつの大きな理由があります。

大きな理由ひとつ目は、
犬の行動を人間にとって都合の良いものに変更してもらう
ことができる。

言葉にすると何だか人でなし感が拭えない表現になりますね

ふたつ目は、
犬がどうすれば良いのかがわかりやすくなる。

訳の分からない状況で犬を不安にさせてしまうことが
少なくなるというのは、動物福祉を考える上でも
大切なことだと思います。

例えば、リードの脱着時に暴れてしまう犬に
暴れないでいてもらいたい場合、
暴れる替わりに座って待つことをしてもらえれば、
お互いが楽にリードの脱着ができるようになります。

それを順序よくトレーニングします。

よくやってしまいがちな誤ったやり方は、
暴れることが悪いことであると犬に分かってもらいたい
という思いから犬が暴れると罰するために叱ったり
犬が嫌がることをしようと試みる方法です。

犬に善悪の概念はないですし、罰したところで、
どうしたらいいのかを教えることはできません。

それどころか犬をますます不安にさせ、
行動が好ましくない方向に
どんどんエスカレートしていくことが予想されます。

また、犬の行動にイライラして自分の感情を
犬にぶつけてしまうということも
よく起こりがちなパターンです。

気持ちはわからなくもないのですが、
これをやっても何の解決にもなりません。

犬の行動が好ましくない方向にエスカレートするのもちろん、
犬との関係がどんどん悪くなっていく可能性が
十分にあるというのは、ご察しの通りです。

最後にトレーニングをするその他の理由に
知っておいて欲しいことがあるので
大事なところを少し書き出します。

・犬のできることが増える
・犬にトレーニング自体を楽しんでもらえる
・飼い主の印象が良くなり好ましい関係を構築できる

トレーニングしても大人しい犬になるわけではないですが、
トレーニングをしたことを日常生活の中で使っていくことで
生活がより快適になり犬との暮らしを
より楽しめるようになります。
それは犬にとっても同じことが言えます。

犬とトレーニングするのはいいことずくめなのです。

愛犬との生活をより質の良いものにしたい、
また、愛犬により質の良い生活を提供したい方は
ご愛犬とトレーニングをぜひ始めてください。
今よりももっと楽しい生活になりますよ。

甘噛みが痛い!

「甘噛みが痛い!」というご相談は多いです。
多い月齢は、生後半年前後の若いわんこさん。

 

「歯の生え変わりで痒いらしいからしょうがない」
とおっしゃる方もいらっしゃいますが、だからと言って
手を噛ませることないです。
(それに、本当に痒いのかなあ・・・・。)

 

もし、
「楽しそうだから遊ばせておこう」とか、
「甘噛みだからいいかなあ」と思われて
そのまま手をカミカミさせてしまうとわんこさんの
癖になってしまうかもしれません。
(癖になっても構わないという方もいらっしゃるかもですね。)

 

癖になってからやめようとしても
双方大変かもしれないので、
手のカミカミあそびははじめからさせないことをおすすめします。

 

他の方法は色々考えられますが、
手で遊ぶ代わりにおもちゃを手にもって
それで遊ぶのもひとつの方法かと思います。

 

 

それまで手で遊んでいた子におもちゃで遊ぶことを促しても
おもちゃでなくやっぱり手を噛むということもあります。
そんな場合は、大きなおもちゃにするとか長めのおもちゃにするとか
おもちゃに紐をつけてそれを紐の部分を持って動かすなどで
手を噛まれる確率を減らすことはできます。
そして、それと並行してトレーニングを行います。

 

うちの抹茶と室内で長いおもちゃを使って遊んでいるビデオです。
https://youtu.be/3WKBQvYq4EE


遊びたいという想いが強いところに簡単なルールを加えることで
そのルールを気を付けて守ってくれるようになります。

抹茶は私の手に歯が当たらないようにとても気を付けてくれます。
若いときは抹茶も手に歯を当たってしまったり
遊びに夢中になるあまり思わず手をカプッとしてしまうこともありました。

そのたびに楽しい引っ張りっこ遊びは一時中断しました。
痛くて引き続き遊べないから「たんま!」という感じ。

抹茶のことを怒ったりイライラしたりせずにただ痛がるだけです。
目線は歯が当たったところのみを見ます。抹茶を目の中に入れません。
それどころではない感じで演技します。
しばらくしたら何事もなかったように遊びを再開させるのです。

そのうち小さいおもちゃで遊んでも歯を手に当てないように
気を付けてくれるようになりました。

ルールを守っている間は楽しいことが続くのです。
ルールは楽しさを自分で勝ち取るためのツールになるのです。

今ではただおもちゃを噛んで引っ張るだけではなく、
ビデオのように「バック」や「よーいドン!」や「ぺ」など
ルールをたくさんいれて複雑になっていますが
今の抹茶にはこれくらいの方が手ごたえがあって楽しいのです。

多少のスリルは楽しさに必要なんだと思います。
フライングした後のお顔が物語っているように感じます。

 

守れば楽しいことが待ってるというルールならば
わんこさんに喜んで守ってもらいやすくなりますよ。

楽しく覚えたことなら他で使う時も使いやすいツールになりますしね。

 

現在、募集中の体験訪問レッスンは
8月30日(木) 13:00~
の1枠となっています。

詳しくは、http://goodog-fukuoka.com/triallesson/
ご覧ください。

9月以降の募集はあと数日で告知しますので、
お待ちください。

 

暑さには気を付けて、心静かにお盆をお過ごしください。

 

 

 

乗車マナートレーニング

初めての試みで動画をYouTubeにアップしてみました。
今までも限定公開のものやスマホで撮ったものを
そのままFacebookなどでシェアしたことはありましたが
YouTubeで「公開」というのは初めて。

はじめてのことは少し勇気がいるものですね。
「公開」を選択してポチっとした時は結構ドキドキしました。

スマホで撮って、慣れていたアプリで編集したものをあげたのですが、
思っていたよりもザラザラの画像になってしまっています(^▽^;)
動画の編集に関してはこれから何とかしていきたいです。

お初動画は、ラマちゃんに協力してもらって、
「乗車マナートレーニング」のやり方を順を追ってまとめたものです。

ラマちゃんも車に乗り込む前に何もこちらが管理していないと
車のボディーにとびついてしまうことが度々ありました。

車にとびつくと車に傷がついてしまったり、
ドアの開閉時に身体をぶつけたりはさんだりするかもしれません。

 

【動画】「乗車マナートレーニング」
https://youtu.be/2j8mdcf1lkE

動画の下の欄にも少々説明を入れていますが、もうちょっと補足をしますね。

車に近づいたら自動的に座ってもらい、こちらが次の合図を出すまでそのままでいる。
というのを目標に段階的に教えていっています。

動画では、①で車の近くで座ってもらうよう促していますが、
車にとびつくことが日常的になっていたり、
車の横に来ると興奮してしまうようなわんこさんの場合は、
車からの距離をあけた状態で座るといった段階が必要になります。
それ以外でも、それぞれに合わせアレンジします。

車に近づくと自動的に座って合図を待ってくれるようになると、
管理をする側もリードでいちいちコントロールすることもしなくてよくなります。
ただ、「絶対」はないので過信は禁物!

また、何が正解なのかを伝える方法でトレーニングをしているので、
ラマくんもリラックスして「トレーニング」という名のゲームに参加してくれています。

「危険だということを教えればいい!」とか
「悪いことだと教えればいい!」との考え方もあるとは思います。

わざと犬を危ない目に合わせたり、痛い思いをさせたり、
びっくりさせたりすればとびつくことはなくなるかもしれませんが、
そんな方法を優先的に使う理由は見当たりません。

私たちと暮らしてくれている犬たちに嫌な思いをさせてまで
一緒にいてもらうのはフェアではないと思うのです。
「種が違うお互いが協力うえで平和に気持ちよく暮らす」

そんな関係の犬を含めた家庭が増えていくといいなっと考えています。
だからといって、犬たちが人に協力するのは当たり前のではありません。
犬たちに気持ちよく協力してもらえるように私たちはどうしたらいいのでしょう。
そんなことを考えた結果、GooDogでは犬に嫌な思いをできるだけさせない
トレーニングや日頃の付き合い方をお伝えし続けています。

YouTubeにはこれからも動画投稿をしていこうと思います。
チャンネル登録していただけると嬉しいです。
たまにはうちの抹茶にも登場してもらおうかな(^^)

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

体験レッスン受付中です。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://goodog-fukuoka.com/triallesson/

イメージ通りの犬になる?

「うちの犬がまた”盗み食い”しっちゃって~」と、
知り合いが発した言葉に少々驚いてしまいました。

その人が自分の犬は”行儀が悪い”と思っているのは知っていましたが、
私みたいのが何か言うと変な感じになるだろうと
いつもは犬の事には大きく触れないようにしていました。

でも今回は気になったので少し聞いてみました。

 

「”盗み食い”ってどうしてそう思うの?」
「こっそりと急いで食べてたから~」

こっそり何かをするということは、
何度か見つかって嫌な目を見ているということかな?
そんな風に見えちゃっただけかもですが。

「それで、どうしたの?」
「そりゃあ、大声で怒鳴ったよ~」
「その子、どうした?」
「急いで逃げてった。悪いことってはわかっているみたいなんだけど~」
犬に善悪の観念はないんだけどなあ・・・。

それまでも何度もこういうことはあったようなのです。
飼い主に見つかったら嫌なこと(飼い主の怒鳴り声)が起こるシチュエーションだ
というのを知っているから、こっそりするのは納得。
見つからなかったらラッキー!そのラッキーも経験済みのようです。
犬にとってはギャンブル的で面白いのかな?

私は、「食べられたくなかったら置いとかなきゃいいだけじゃん!」
と突っ込みを入れながらその話を聞いたのでした。

 

私が一番気になったのは、犬がただそこにあるものを食べただけで、
「盗み食い」といういかにも悪意があることを想像させる言葉を
飼い主自らが使ったことでした。

自分の犬は悪いことばかりするというイメージを持っていることが、
その言葉を容易にチョイスさせたのだろうと私は解釈しました。

「行儀が悪い犬」と思っていることで、犬のそういうところばかり目についてしまい、
度々反応(叱るなど)しているのではないでしょうか。

飼い主が反応する行動はほとんどの場合、増えます。
やっぱり「行儀の悪い犬」だよねってことになってしまうのもうなずけます。

 

うちの抹茶も畑で採ってきたばかりの白菜を床に置いてそのままにしていたら、
それを食べたということがありました。

一枚咥えては私の前を通り自分の座布団まで運び、
そこでゆっくり食べ、終わったらまた取りに行く、
というのを繰り返したのです。

私は、その楽しそうな姿をカワイイ~と思いながらそのまま見ていました。
(これ、変?)

抹茶がアプローチ容易な床に置いてそのままにしてたし、
食べられて困るものでもないし、
何回行ったり来たりするか興味もあったし、
途中で渡してくれるか?とか試したいこともあったし。

こうやって書くと、やっぱり変かもですね(笑)

抹茶は、ほとんど叱られることなく育っているので、
こっそり何かをすることは今のところないように思います。

この時も、普通に私の前を行ったり来たりしていました。
せっかく楽しんでるのを理由もないのにやめさせる必要はありません。

「ちょうだい」というと、大事に運んでいる途中の白菜を私の手の上に置いてくれたので、
その白菜をよく見て調べるふりをしてすぐに抹茶に返しました。
抹茶は、私が取り上げるとは思っていないので、当たり前のように渡してくれます。
そして、もどってくるのを安心して待ちます。

 

抹茶には日に何回も、
「おりこうさんがにじみ出てるね~」
「やさしいね~」
「なんでそんなにかわいいの~」
「いつもありがとうね~」
なんて言葉をかけています。

一緒に暮らしているインコのアールが、
「抹茶ちゃん、おりこうさんね~」と
私の言葉を真似してよくおしゃべりしているくらいなので、
かなり頻繁にそういう類の言葉を発していると思います。

出ちゃうのです。
他人が聞くと、きっと引きます(笑)
抹茶にはプレッシャーになってたりして。

(これらの言葉はトレーニングで使う合図とは全く別物です)

こうしてくれると助かるなあと思うことはあるけれど、
そうならなくても私にとってはかけがいのない存在です。
うちに来てくれただけで「ありがとう」なのです。
だから、抹茶には気分よく過ごしてもらいたいと思っています。
トレーニングも抹茶の気持ちが優先です。

 

先ほどの知り合いのことを家族に話してみましたら、
「抹茶は叱られるようなことはしないからね~」
ですって。

いやいや、きっとしてます。
だけど、「抹茶は叱られるようなことはしない」って思っているから、
気づかないだけなんじゃないかと思うのです。

普通だったら叱られるよねってことを抹茶がした場合、
「ごめんごめん。嫌だったね~。」からの「これだったら大丈夫?」と、
抹茶の気持ちが楽になる方向にもっていきます。

これはうちの常識で、極フツーのこと。

抹茶は抹茶で、「家族は自分が嫌がることはしない」と思っていると思います。
すぐにやめることを知っているから、嫌な時は即効で教えてくれます。
抹茶の私たちに対するイメージの影響もきっと大きいはずです。

一般的に思われている悪い行いを抹茶がするときは、
それがそのときの抹茶にとって必要なことなのです。
どうしてもしてもらいたくないときは、
抹茶がそれをしないで済むようにすればよいのです。

あらら、どんどん話が反れていく~。

まとめます。

知り合いの犬の「盗み食い」の話から、
飼い主が抱いている犬のイメージと犬が抱いている飼い主のイメージは、
その犬との暮らしにバカにできないくらい大きな影響力を持っていると思った次第です。

あなたはあなたと暮らしている犬のことをどう思っていますか?
そのイメージ通りに犬が育っていませんか?
犬からはどう思われていると思いますか?

あまりよくないイメージの場合は、
どうしたらよいイメージになるかぜひ考えてみてください。

長々お読みいただきありがとうございました。

困った行動の作り方


ご愛犬の困った行動をやめさせたいというお気持ちが
原動力となってトレーニングを始める方が大半です。

体験レッスンでは、「○○をやめさせるには、
どうすればよいか教えてほしい」
とのご要望が90%以上を占めます。

やめさせたい行動を犬がやったときにどうすればよいのか?
どうやって叱るのが良いのか?
どこをどう叩いたらよいのか?

といったご質問が多いです。

この記事をお読みの方もそのような疑問をお持ちかもしれませんね。

少し視点を変えていただきたいのですが、
その行動を犬がし続けるのはなぜだと思いますか?





ズバリいいますと、メリットがあるからです。

 

「叱ってるのに、メリットとは解せぬ!」
なんて思われた方もいらっしゃると思います。

叱られてもやり続けているということはやっぱりメリットがあるのです。

「例えば」のお話をします。

(犬目線で想像してください)
朝からの長い長いながーい留守番のあと
夜になってようやく帰ってた飼い主は、何かとやることがあるようで相手にしてくれない。
少し撫でてくれて、食べ物はもらったものの、全然遊んでくれない。
そうこうしているうちに飼い主は疲れているのか眠ってしまった。
こんな毎日が続いている。

さあ、犬はどんな気持ちでしょう。
犬は社会動物です。
孤独やコミュニケーション不足は犬を簡単に不安にします。

飼い主は生活があるので嫌でも広い世界で生きることになりますが、
犬は自分で世界を広げることはできません。
犬のせまーい世界では飼い主はとてつもなく大きな存在なのです。
そんな存在から相手にされないなんて、ハッピーな状態ではないでしょう。

そんな時、何とはなしにテーブルの角をかじってみました。
すると、飼い主が何か言いながらこちらに近づいてくるではないですか!
全く見向きをしてくれなかった飼い主がやっと振り向いてくれたのです。
それもかなりエネルギッシュに!

なになに?あそんでくれるの?
追いかけっこ?じゃあ、逃げるよ!こっちだよ~!
来た来た!わーい!!!待ってたぜ~こんな日を!

犬にしてみれば飼い主の発動スイッチを自分で押せたようなものです。
「テーブルをかじると飼い主と追いかけっこができるのかあ!また、これ使おう!」

これで、この犬のテーブルをかじるという困った行動の出来上がりです。

もう一つ考えてみてもらいたいのですが、
今後、「叱る」ことでこの行動はなくなるでしょうか。

 

今回のお話しでは、ことごとく飼い主と犬とがすれ違っています。
そして、犬は自分の気持ちに純粋に従っているだけ。
何の悪気もありませんでした。

よく飼い主への「あてつけ」や「いやがらせ」などといった表現で
犬に悪意があるかのように捉えることがありますが、
私たちが考え及ばないほど犬が純粋すぎるがゆえに
そんな捉え方をしてしまうのかもしれません。

行動問題は起こってから対策を考えるよりも
犬がそんなことをする必要がない状態を保ちながら
犬と暮らすことが一番の予防と言えます。

もちろん起こってしまった場合は改善策を講じましょう。
行動を変えてもらえるようトレーニングをします。

呼び戻しの合図以外での呼び戻し

いつでもどこでもより確実な「呼び戻し」ができるように
トレーニングしておくことは大事です。

「呼び戻し」のための合図のトレーニングをすることはもちろんですが、
それ以外に飼い主さんとなにがしかを行うこともトレーニングしておくと
結果的に「呼び戻し」としてつかえることを増やすことにもなります。

例えば、チンレスト(あごを特定の場所に乗せること)。

こちらは、以前にインスタグラムに投稿した動画です。

この前に、「あご」の合図で目の前の手の平にあごを乗せることを
トレーニングしています。

距離があったとしても「あご」の合図は、あごを手の平にのせることに変わりはありません。

そのためには、まず手の平があるところまでまではちえちゃんが移動することになります。
こちらに来るというの動きが途中に入るので、「呼び戻し」としても使えるということです。

 

再び少しアレンジですが、そのまま少し移動してもらいたいときは
(例えば、においを嗅いでもらいたくない汚いものがすぐそばにあるとか、
苦手な他人やほかの犬がすぐそばにいるとか。)
次のようなトレーニングをしておくと「あご」がさらに役に立ちますよ。

はちえちゃん、楽しそうなボディーランゲージです。
楽しいイメージで覚えたことは、実際に使おうとしたときに
取り出しやすい道具として機能します。

チンレスト以外にも、ハイタッチや鼻タッチなども呼び戻しにも
使える行動です。

以前、うちの抹茶に「田畑抹茶ちゃん」と私が言ったら一声吠えるという
行動を教えました。
抹茶が遠くにいる時にその合図を出してみましたら、
大急ぎで私のところへ来て、目の前で一声吠えました。

呼び戻しのために教えたわけではないですが、結果呼び戻しにもなったのです。
「田畑抹茶ちゃん」「ワン!」は、いつも抹茶が目の前にいる時にやっていたので
それを再現するために私の目の前まで来たのです。

教えているときの環境も条件付けされるということです。
さらに、抹茶にとって好きな行動であったから
早くやりたくて急いで戻ってきたのだと推測します。

どういったことでも合図で楽しく実行できる行動のレパートリーが
あるといざという時に役に立つかもしれません。
使えるツールがいくつかあるとひとつしか持っていないものが
機能しなかったときに大いに助けられます。

「芸はしなくていい」とよく聞きますが、ちょっとした空き時間に
ご愛犬と楽しめる簡単な行動を合図で実行できるよう練習してみてください。

トレーニングは双方向のコミュニケーションの時間にも
ご愛犬の脳トレにも運動にもなりますよ。