困った行動の作り方


ご愛犬の困った行動をやめさせたいというお気持ちが
原動力となってトレーニングを始める方が大半です。

体験レッスンでは、「○○をやめさせるには、
どうすればよいか教えてほしい」
とのご要望が90%以上を占めます。

やめさせたい行動を犬がやったときにどうすればよいのか?
どうやって叱るのが良いのか?
どこをどう叩いたらよいのか?

といったご質問が多いです。

この記事をお読みの方もそのような疑問をお持ちかもしれませんね。

少し視点を変えていただきたいのですが、
その行動を犬がし続けるのはなぜだと思いますか?





ズバリいいますと、メリットがあるからです。

 

「叱ってるのに、メリットとは解せぬ!」
なんて思われた方もいらっしゃると思います。

叱られてもやり続けているということはやっぱりメリットがあるのです。

「例えば」のお話をします。

(犬目線で想像してください)
朝からの長い長いながーい留守番のあと
夜になってようやく帰ってた飼い主は、何かとやることがあるようで相手にしてくれない。
少し撫でてくれて、食べ物はもらったものの、全然遊んでくれない。
そうこうしているうちに飼い主は疲れているのか眠ってしまった。
こんな毎日が続いている。

さあ、犬はどんな気持ちでしょう。
犬は社会動物です。
孤独やコミュニケーション不足は犬を簡単に不安にします。

飼い主は生活があるので嫌でも広い世界で生きることになりますが、
犬は自分で世界を広げることはできません。
犬のせまーい世界では飼い主はとてつもなく大きな存在なのです。
そんな存在から相手にされないなんて、ハッピーな状態ではないでしょう。

そんな時、何とはなしにテーブルの角をかじってみました。
すると、飼い主が何か言いながらこちらに近づいてくるではないですか!
全く見向きをしてくれなかった飼い主がやっと振り向いてくれたのです。
それもかなりエネルギッシュに!

なになに?あそんでくれるの?
追いかけっこ?じゃあ、逃げるよ!こっちだよ~!
来た来た!わーい!!!待ってたぜ~こんな日を!

犬にしてみれば飼い主の発動スイッチを自分で押せたようなものです。
「テーブルをかじると飼い主と追いかけっこができるのかあ!また、これ使おう!」

これで、この犬のテーブルをかじるという困った行動の出来上がりです。

もう一つ考えてみてもらいたいのですが、
今後、「叱る」ことでこの行動はなくなるでしょうか。

 

今回のお話しでは、ことごとく飼い主と犬とがすれ違っています。
そして、犬は自分の気持ちに純粋に従っているだけ。
何の悪気もありませんでした。

よく飼い主への「あてつけ」や「いやがらせ」などといった表現で
犬に悪意があるかのように捉えることがありますが、
私たちが考え及ばないほど犬が純粋すぎるがゆえに
そんな捉え方をしてしまうのかもしれません。

行動問題は起こってから対策を考えるよりも
犬がそんなことをする必要がない状態を保ちながら
犬と暮らすことが一番の予防と言えます。

もちろん起こってしまった場合は改善策を講じましょう。
行動を変えてもらえるようトレーニングをします。